演奏会評

28日 いずみホールで開催された「石若雅弥作品展2007〜Ensemble Daffodilによる〜」を聴いた。
以下感じたことを述べるが、単なる「評」だけでなく自分への「教訓」として書いてみた。

演奏会として
アンサンブル(女声合唱)が素晴らしかった。
ビブラートが殆どなく、音程の不安もなく、歌詞もよくわかり申し分ない。
新作を紹介する団体として十分すぎるものであった。
ただ、ステージ上の動きは ぎこちない部分もありリハーサルはきっちりして頂きたかった。
また最後に作曲者がソロでピアノを弾いたことは良かったと思うが
選曲に考慮が必要であったのではないかと思う。
演奏会で同じ曲を使用する場合は雰囲気を変えることも必要
今回なら最後は徐々に照明を落とすなどの演出があれば・・・と
これは私の横で聴いていた「よそでは裏方」さんのコメントです。

作(編)曲として
和声(ハーモニー)に十二分の工夫がみられ、現代的なリズムを使用し、今の若い世代の、そしてアマチュアの人間にもわかりやすく聴きやすく書かれていると思う。
それに彼の人柄がよく出ている音楽だと感じた。
ただ、最後のピアノ演奏でも現れたように「余韻」を楽しむ「間」が少なかったのが残念だった。「もう少しこのムードを味わいたい」のに次へ移ってしまって、音楽が流れてしまうように聴こえた。
そして、それぞれの作品の「決め」の部分はもっとしっかり時にはしつこくやって頂きたい。
そうすれば更に訴えたいところが見えると思う。
 ピアノパートに関して、これも「おかず」に色々と工夫があって面白かった。
もっとダイナミックに欲しい、逆にもっと無音に近くして合唱を聴きたいと感じる部分があり更に研究して頂ければと思う。
 編曲に関して、前奏が聴衆の耳になじんでいる曲は和声を変えるのはいいが寸法を変えるのは違和感を感じるものもある。「雪」などのアレンジは面白いし好感が持てた。

作曲家は自分の個性を出しながら演奏者、聴衆の間に立って、常に難しい位置にいると思う。大変な「技」を必要とする職業の一つだと思う。
声楽の場合「音の跳躍」の問題がある。なだらかな動きだとメリハリがないし、飛びすぎると歌いにくい。この辺りのバランスもこれからの課題かもしれない。
私の高校の後輩である故に、厳しく書いてしまった。
自分のことは棚に上げている。しかし音楽家として私も勉強していく上で大きな利益となった一夜であった事は間違いない。彼の更なる発展を願って止まない。
石若君、ありがとう!そして今回の盛況、成功おめでとう!!