リサイタル報告その3

では、お越し頂いた方はお分かりの、大事件の話をします。

展覧会の絵」、ゆったり丁寧に表現をして、なんとか終曲までたどりつきました。

実は前日K高校で四時間の授業、実は、四回ともこの曲を演奏し、生徒相手に四苦八苦したのです。
四回の演奏ですべて納得いかない部分があり、どうしようと思いながら本番に臨んだのですが、そこはうまく通過し、終曲まで来たその時!事件は起こりました。

低音を生かし、重厚なハーモニーを創ろうと左手五の指を打鍵したその瞬間、
バン!という音とともに、弦が切れました。
なんでも、いずみホールとしても、低音が切れるというのは例がなかったようです。

当然頭は真っ白に。
しかし弾き続けなければ!という思いだけで、切れて音が鳴らない音を避け、
オクターブ上げたりという瞬間的な編曲をしながら、切れた弦が横たわり響きわたる雑音の中、
必死の集中力で終わりまで演奏しました。

悔しさもありますが、終わりまで演奏出来て、心から嬉しく思いました。

アンコールで、改めて展覧会の終曲を演奏して(それはそれで苦しかったですが…)、
自分自身も納得出来ました。

ある意味非常に心に残る本番になりました。

今回、いろいろな仕事の合間の練習、かなりつらい日々でしたが、いい経験になりました。
また、短期間での暗譜、学生時代、一週間で2、3曲を暗譜して
レッスンに行っていた自分を思い出し、「私はできる!」と自分に言い聞かせながらやりました。

すべて自分の財産として、これからも精進します。